学費滞納は高止まり、深刻な経済的理由による中退は
増加傾向 2007年9月末学費滞納調査より(07/11/20)
全国私立学校教職員組合連合
中央執行委員長 小村 英一
1)調査の目的
今回の調査は、2007年9月末現在での私立高校生、私立中学生の学費滞納状況、経済的理由での中途退学者状況を可能な限り把握し、生徒の学習権を保障するために行政への必要な救済を要求するために行いました。
2)調査時期
調査時点は、2007年のの中間点にあたる9月末現在での調査としています。
3)調査方向
調査方法は、同一の調査用紙(別紙)を各県組織を通じて各学校の組合に配布し、調査用紙を回収する方式で行いました。
4)回答
回答は、28都道府県254高校、98中学からありました。対象生徒数(回答校の在籍生徒総数)も含めた基礎データは次の通りです。回答校数 254高校対象生徒総数 209,469人
98中学 対象生徒総数 36,735人
これは、私立高校総数1326高校の約5分の1、私立中学総数726中学の14%にのぼる学校数の調査であり、特に私立高校に学ぶ生徒の学費負担問題では信頼度の高い調査だと考えます。
5)高止まり傾向の私立高校生の学費滞納状況
1.私立中学・高校の学費納入方法は、おおむね一年分の学費を三期(学期に対応すると理解できる)ないし四期(三ヶ月ごと)に分け、多くの生徒・父母はこの納入方法をとります。それ以外に、三期・四期ごとの納入では対応できない家庭に対しては、多くの学校で申請すれば毎月納入(月納)の方法を可能にするなどの方法を取っています。
2.私立高校での9月末現在の滞納者数は、3ヶ月以上の滞納者が254校で3,216人、一校平均12.7人、対象生徒総数の1.54%にのぼります。これは別紙資料のようにこの間2004年度から「9月末段階で総生徒数の1.5%以上が3ヶ月以上の学費を滞納している」状況が続いていることを示しています。
6)増加傾向、深刻な私立高校生の経済的理由による中退状況
1.経済的理由による中退は、別紙資料のように9月末段階に比べて年度末である3月末が深刻な状況を示します。9月末段階では、まだ滞納しながらも努力しようとか、学校も一定の滞納で機械的に除籍などの措置をとるのでなく少し猶予して様子を見ようといった配慮をするからです。
2.この9月末の調査で、すでに経済的理由での中退者が153人(1校平均0.6人)
出ており、総生徒数に対する中退率が0.07%にのぼっているのは、2006年9月末の81人(1校平均0.41人)中退率0.048%、2005年9月末の83人(1校平均0.44人)中退率0.05%に対して高くなっている。高止まりの学費滞納状況からみて、年度末までに、経済的理由による中退者が一層増えることを憂慮している。
7)学費滞納や経済的理由による中退者の状況の特徴
1.県や地域の学校間で、滞納問題や経済的理由による中退者問題の深刻な学校とそうでない学校との格差が開いていることが感じられます。
いわゆる底辺校からは「所得税非課税世帯が昨年の30人から60人と2倍に増えた。母子家庭、父子家庭が増加している」(愛知・A校)といった報告が寄せられており、これが例外でないのは各県の学校ごとの滞納や中退数比較からも読みとれます。
2.多くの県、学校から母子家庭、父子家庭などの単親世帯や生活保護世帯などのもともと経済的に厳しい家庭を、私学の学費が直撃している状況が報告されています。
「母子家庭で家計が苦しく、本人が働いて(中退して)家計を支えることになった」(新潟・A校)といった状況が例外ではなく広がっています。
3.家計支持者のリストラによる退職や家業の倒産、収入減なども大変大きな要因です。また家計支持者や家族の病気による出費などの問題も重なっています。
4.この調査ではあらわれていませんが、家計の事情で昼ご飯を持って来れない、昼食が食べられない生徒の話を、北海道、山形、青森、東京、神奈川などの先生から聞いています。
8)対策
1.すべての県で、年収400万円までの世帯は授業料無償で私学に通える授業料直接助成を実施して欲しいと要求しています。少なくとも、生活保護世帯、住民税非課税世 帯での授業料全額補助免除は急務です。
2.根本的には、私学助成を大きく増やして、公立学校と同等の負担で私学に通える状況をつくりたいと運動しています。
以 上
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